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石井方式漢字教育は、漢字で言葉を育む教育として、
石井勲(いしいいさお)教育学博士の研究と実践によって誕生し、
全国約700の幼稚園・保育園等で用いられている教育です。

また「漢字の絵本」は、この漢字教育のための
漢字かな交じり文による絵本として、1967年に誕生しました。

こどもたちの国語力の低下が著しい今日、
漢字かな交じりの文章を読む必要性がにわかに叫ばれていますが、
石井勲博士は何十年も前から、漢字かな交じり文の朗読、
言葉を漢字で学ぶ必要性を教育界に訴えかけ、実践してきました。

漢字で言葉を学ぶことで、国語力はもちろん学習能力そのものが向上し、
本を読むことも好きになる。
こども自身が学ぶ力を育む教育として、
石井方式漢字教育は、幼稚園や小学校などの教育現場、
グレンドーマン博士など教育界の権威、
そして、ご家庭から厚い信頼を得ています。

漢字教育が初めての方へお勧め書籍等

漢字絵本シリーズ
漢字かな交じり文で記した童話絵本。漢字教育が初めてでも、楽しく自然に漢字に親しめます

ことわざかるた
遊びながら漢字に親しめます

日本語塾:石井勲博士の晩年の書。漢字教育のアドバイスを集結。

言葉を豊かにし、智能を高める漢字

漢字教育の役割は、漢字を通じて豊かな言葉を養い、子どもの智能を高めることにあります。

人間は、言葉で物事を考え、理解します。

そして、この言葉の豊かな子ほど、知能が大きく伸び、感情や情操が豊かに育ちます。

ただしそれは、口数が多いという意味ではなく、言葉の意味を正しく理解するということです。

どんな勉強も、まずそこに書いてある内容や先生の話を理解する力がなければ、
いくら机に向かっても同じです。

ですから、言葉を学ぶ時期に、しっかりとした教育をすることが大切であり、
その
“言葉をみがく道具”が漢字です。

なぜ漢字なのでしょうか。

それは、漢字が一字一字が明確な意味をもつ“見る言葉”だからです。

ひらがなは、一字一字に意味をもたない、いわば発音記号(表音文字・聴覚言語)なので、
ひらがなで表わす言葉は、それがもつ意味までは表わしません。

しかし、漢字は言葉そのものを表す字、
または言葉の意味を表す文字(表語文字・視覚言語)なので、
正確に言葉の意味を理解できる
のです。

たとえば、『木』という漢字を覚えて、次に『森』という漢字を見たとき、
『木』がたくさんあるところが『森』なんだと、
言葉だけでなく、その意味まで自分で理解できます。

漢字で言葉を覚えると、言葉の理解度が高いのです。

幼児にとって漢字は易しい

とはいえ、幼児に漢字は難しいに決まっている。

漢字教育を始める前に、たいていの方が抱く先入観です。

幼児を集めて、『鳩』『九』『鳥』の漢字のうち
どれが覚えやすいかを調べた実験があります。

結果は、一番覚えやすいのが『鳩』、次が『鳥』、最後が『九』でした。

幼児は、具体的なものほど覚えやすく、抽象的なものほど覚えにくい。

つまり、幼児にとって、文字の覚えやすさは、
そのものをイメージできるかどうか
であり、
字形の複雑さとは関係のないことがわかります。

漢字は具体的なものを表す文字、ひらがなは音を表す文字。

ですから幼児には、ひらがなよりも、むしろ漢字の方が覚えやすい文字なのです。

右脳と左脳を刺激する漢字

脳の発達は、乳幼児期は「右脳優位」の時代、
以降は「左脳優位」へと移行していきます。

右脳は、空間認識や音楽・絵画に感じ入る「感覚脳」
左脳は、理論的にものごとをとらえる「言語脳」です。

そして、右脳の活発な時期に刺激を与えるほど、
その後、発達する左脳の成長度合が高くなります。

通常、文字は左脳で処理されますが、
漢字は右脳・左脳、両方を働かせることがわかっています。

ですから、できるだけ幼い時期に、
漢字にたくさん触れ、右脳を刺激するほど、
その後、備わる左脳の働き(理解力・思考力など)を
より活発にすることができるのです。

言わば、漢字教育はやがて育つ智能の種まき

詰め込み型の早期教育ではなく、適期教育なのです。

石井式漢字教育の指導法

石井式漢字教育は、漢字を読むことからはじまります。

(漢字を、言葉を学ぶ手立てにするため。
 書くことは、手先が器用でない幼児にとってまだ難しいので、
 手先が発達してからでかまいません。)

そして、できるだけ生きた言葉としてとらえられるよう、
漢字かな交じり文で書かれた絵本を読み聞かせます。

ひらがなだけで書かれた絵本では、幼児は、意味のわからないまま、
文字だけを追う「拾い読み」になりがちですが、
漢字を交えた文で読むと、文の意味がダイレクトに頭に入ってきます。

漢字には、もちろん読み仮名をふりません

漢字を見ずに、読み仮名を追っては意味がないからです。

漢字かな交じり文の絵本を読むと、漢字が身につくことに加え、
さらに、文章を読む力、読解力がつきます。

よく本を読む子ほど頭が良い。これも自明の理でしょう。

石井式漢字教育の成果

石井方式の漢字教育を30年以上、数多くの幼稚園保育園で実践した結果、
漢字で言葉の理解が深まり、国語力が身につくことはもちろん、
ものごとを分析して理解する力や想像力など、考える力、
また目と耳、両方を働かせて学ぶことで、非常に高い集中力がつくことが確かめられました。

人間として学び、成長するための基礎能力が育つのです。

漢字によって豊かな言葉を身につけた子は、
自ら枝葉を広げるように、様々な能力まで発展させていきます。

すべての成長の“根幹”を養う漢字教育、
それは誰もが自然に無理なく伸びる教育なのです。

 

石井勲(いしいいさお)教育学博士 プロフィール

石井いさお先生いまや、幼児にとって漢字が覚えやすい文字であることは、幼児教育界では常識となりました。

その第一人者が石井勲教育学博士で、昭和27年に石井式漢字教育指導法を発表、
この教育法は当時あまりに画期的であったために簡単には受け入れられませんでしたが
博士は子どもたちの学力向上のために、熱心に、全国で講議と実践を続けてこられました。

そしてその効果が認知されるに従って、世間に公表され、現在まで広がるに至ったのです。

もともと高校・中学校・小学校の教師であった石井勲博士は、その豊富な教師経験から、
子どもの国語教育、とくに漢字教育の必要性を痛感しました。

そして、小学1年生への漢字教育の実践を通して、
年齢が低いときほど漢字を覚える能力が高いことを実証し、
石井式漢字教育指導法を発表、当時、大きな波紋を呼ぶのです。

さらに、石井勲博士は幼児への漢字教育で、より知能向上効果が高いことを確かめます。

これまでの常識を覆す石井式漢字教育は、様々な揶揄もあるなか、
幼児教育の権威、グレンドーマン博士や、
ソニー会長で幼児開発協会を創設した井深大氏など、
幼児教育に造詣の深い人々から支持を得て、教育現場に着実に浸透、
以後、脳障害児への実践など、子どもたちの知能向上に効果を上げています。

 

■石井勲 博士 略歴

1919ー2004年。
山梨県生まれ。昭和17年、大東文化学院卒業後、応召。

戦後、高校教諭として教壇に立ち、国語力を養うには
さらに早い時期の教育が必要であると考え、中学校・小学校教諭もつとめる。

この豊富な経験から、漢字を用いて日本語に触れる必要性を痛感し、石井式漢字教育を確立。

その功績が認められ、グレンドーマン博士主催、第6回世界人間能力開発会議で金賞受賞、
第37回菊池寛賞受賞。

日本漢字教育振興協會会長、国語問題協議会副会長はじめ、松下政経塾専門講師なども歴任。

著書は『石井方式 幼児のための日本語塾』(登龍館)ほか多数。

 

■漢字教育の広がり

1961 四谷七小での石井勲先生の漢字教育が、
    新聞で紹介されたのを機に、以後、各紙が石井方式を取り上げる

1968 幼稚園での石井式漢字教育が始まる

1970 大東文化大学幼少教育研究所が設立され、所長に就任

1973 グレンドーマン博士主催、第六回人間能力開発世界会議で金賞受賞

1979 大東文化大学付属青桐幼稚園園長就任

1989 石井式漢字教育指導法の樹立が評価され、第37回菊池寛賞受賞

1994 石井式漢字教育を導入した船橋市立法典東小学校が
    
第43回読売教育賞・国語部門において優秀賞を受賞

2004 ご逝去

現在、石井方式漢字教育は、全国の保育園・幼稚園はじめ、
小学校や海外の学校でも取り入れられています

* * * * * * * * * * * * * * * * *

石井勲先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます

*

2004年11月4日、石井勲先生は85年の生涯をとじられました。

子どもたちに豊かな国語力を。

石井勲先生は、生涯この純粋な想いで
漢字で教える国語教育を、ひたむきに世に伝えた、真の教育家でいらっしゃいました。

先生が始めた漢字教育は、当時、規制概念をくつがえす画期的な教育であっただけに、
世間に受け入れてもらうには、相当なご苦労がありました。

そしてそれは、私たちも同じでした。

石井勲先生監修による漢字かな交じり文絵本を教育の場で用いてもらえるよう、
石井先生とともに全国行脚をしたのでした。

いまや石井先生の漢字教育を実践する幼稚園保育園は全国に広まり、小学校でも取り入れられ、
どれほどの子が先生の教育で巣立っていったか知れません。

教育の場に偉大な功績をのこされた石井勲先生のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに

石井先生の教えを胸に、私どもは今後も良書の発行を心がけ、確かな教育のお手伝いをしてまいります。

石井勲先生の、教育者としての純粋な想いと、あたたかいお人柄は、
先生の幼稚園へ通っていた方から頂いたお便りでもお分かりいただけると思います。

こちらもどうぞ、お読みくださいませ。<お便りはコチラ

教育現場での実例

「蟻と鳩」の素話  ■小学校での取り組み  ■「悪魔」の推理

「蟻と鳩」の素話

石井先生が幼稚園の講演。漢字を知らない3〜5歳の園児たちを前に、物語を聞かせながら、
そこにでてくる言葉を漢字で黒板に書いていく「素話」を行っています。

(黒板に書いた漢字は、『』で表わしています。)

先生:(『森』を書き)森って知ってる?

園児:動物がいっぱいいるところ。

先生:
森とは、木がたくさん生えているところです。
あるところに、おおきな森があって、その中に、『池』がありました。
お水がたくさんたまったところを、池というんですよ。

そんな森のなかに、『鳩』が住んでいました。
鳩というのは、かわいらしい鳥で、ポーポーと鳴く。

池のそばには『蟻』が住んでいました。
小さな黒い虫で、あまいものが大好きです。

ある日、ケーキのかたまりを見つけた蟻は、
ヨイコラショ、ヨイコラショ、一所懸命おうちへ運ぶいup、
   『風』がふいて、池にふきおとされてしまいます。
蟻は、助けてくれ、と夢中でさけびました。

その声をきいた鳩は、小さな『枝』を蟻のそばにおとしました。
蟻はしっかりと小枝につかまると、風がヒューッと岸につけてくれ、
蟻はぶじ、おうちに帰りました。

だれが、蟻さんを助けたのですか?

園児:鳩!

先生:
そう、鳩さんが助けたんですね。

蟻さんは鳩さんに、ありがとう、と言いました。

それから、何日かたって、森の中に、猟師がやってきました。
『鉄砲』でドンとうって、鳥や獣をとる人のことです。

猟師は、鳩がとまっているのをみつけ、撃とうとねらいをつけました。
これをみた蟻は、夢中になって、猟師の足にかみついたので、
鳩は、撃たれなくてすみました。

今度は、鳩さんが蟻さんに助けられたので、ありがとう、とお礼を言いました。

困ったときは、お互いに助けあわなければいけません。
鳩さんと蟻さんはいつまでもなかよく暮らしたというお話です。

(『森』を指し)これは、なんという字だったかな?

園児:森!

先生:
(『池』『鳩』『蟻』『風』『枝』『鉄砲』『猟師』の読み方も
 同じように答えてもらう)

はい、みなさん、目をつぶってください。(その間に『鳩』の字を消す)

はい、目をひらいて。何かいなくなったが、何だろう。

園児:『鳩』がいなくなった。

先生:
そう、よくわかったね。もう一度、目をつぶって。(『猟師』を消す)
なにか、いなくなっていないかな。

園児:
(猟師という言葉が出てこない。
 猟師というものへの認識がないためと思われる。
  nt>以下、お話をくりかえす。)

このように、漢字を一度見せただけでも、これだけ漢字を認識できることがわかります。

小学校での取り組み

平成4年度、船橋市立法典東小学校が実施した石井方式による漢字教育

読み先習
漢字の読み方を覚えることからスタート。
学年別配当漢字にこだわらず、「黒板」「机」など身近なものには漢字カードを貼付けて表記。
低学年でも「しょう火」を「消火」と表記することで「火を消す」ことだと理解できるように。

解字学習
部首や漢字の成り立ちから漢字を理解する。
結果、1年生も含め全校生徒の95%がこの解字学習を好きと答え、
知る喜びや、言葉の意味の理解、系統的学習、新しい漢字も推理するなど
学習意欲につながっていることがわかった。

名文の朗読・朗唱?<br> 漢詩、和歌、漢字の絵本(低学年)、国語読本(高学年)などを毎日短時間、朗唱。
子どもたちはとくに文語文を好み、特有のリズムや響きを楽しむ。
また成績が低い子も漢詩の朗唱を楽しんでマスターし、
この右脳の刺激が左脳も活発にし、学習意欲の向上につながる。

このように、法典東小学校の漢字教育の取り組みは順調な成果をあげ、
平成6年、読売教育賞の国語部門で優秀賞を受賞しました。
(これは『石井式で漢字力・国語力が驚くほど伸びる』で詳しく紹介されています。)

「悪魔」の推理

石井式漢字教育を実施する幼稚園で、
知らない漢字を子どもたちに見せたときの反応です

先生が『悪魔』という漢字を黒板に書き、読み方を子どもたちに考えさせます。

子どもたち:
「(下の方に)『鬼』という字があるから、鬼の仲間だよ」
・・・子ども同士で話しあいます。

子どもたちの一人:
「(上の字は)新聞に出ていて、お父さんに教えてもらった、凶悪犯人の『アク』の字だ。

子どもたち:
『悪』で、『鬼』の仲間だから、『アクマ』!」

こうして、じきに解読しました。

このように、幼児には高い推理能力があります。
そして漢字は、見たことがないものでも
知っている言葉から推理する、考える力をひきだします。
また考えることで、言葉の理解も深めます。
幼稚園で、漢字教育の実践前と実践後とで知能テストを行った結果、
IQに30ほどの違いがでることが、わかりました。

グレンドーマン理論と石井方式の共通点

脳障害児の研究で有名なグレン・ドーマン博士の教育法に、
MよりMOMMYから教える、という方法があります。

アルファベットを知らなくても、
「これは『MOMMY』という字だよ」と教えると、
子どもは易々と覚え読めるようになります。

一方、Mと書いて「これは『M』という字だよ」という方が覚えにくい。

それは、子どもがまず全体をつかんでから、部分を見るためだと言われています。

漢字もそれと同じで、『鳩』や『鶴』という字も、子どもはすぐに覚えます。

そして、やがて、どちらにも同じ部首があることに気づき、
鳥というものへの認識を自分で理解するようになります。

漢字は難しいという大人の先入観で、子どもに見せる漢字を制限するのは、
子どもの能力を制限しているようなものでしょう。


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