漢字教育関連ニュース

目 次


 

中国の学生さんたちが「ことわざかるた」で日本語を学ぶ様子

先日、お客様から、日本語を学ぶ中国の学生さんたちが、
ことわざかるたで遊んでいる写真
を送っていただきました。

お客様はその学生さんたちと交流を深めておられ、
日本語学習にと「ことわざかるた」をプレゼントなさったのです。

中国の学生さんたちがいきいきと学ぶ表情をぜひご覧ください。

 

漢字カルタ大会を開催しました

子どもたちが美しい日本語に活き活きと親しめるようにと
毎年行われている「漢字かるた大会」。
2005年も東京・名古屋・福岡・金沢で開催されました。
使うカルタは、ことわざかるた 俳句漢字かるた 小倉百人一首
未就園児から幼稚園児、小学生まで
大勢のお子様が参加する白熱した大会となりました。

かるた大会

ことわざかるた 俳句かるた 百人一首

前回の漢字かるた大会に参加したお母様より

地区大会に参加したわが子が、思いがけず全国大会に進むことになり、「参加することに意義あり」ぐらいの気持ちで大会にのぞみました。今まで見たことのないわが子の真剣な姿、またその場の緊張感に負けない集中力を見ることができただけでも、参加させて良かったと思いました。
ましてや、このようにすばらしい結果(全国大会年長の部 俳句・優勝 諺・準優勝)で終わることができたのは、ひとえに普段から漢字教育に取り組み、暖かく指導して下さった保育園の先生方のお陰であり、日頃から一緒にかるたを取ってくれた園のお友達のお陰でもあると、深く感謝いたします。
子どもたちの遊びがテレビゲーム中心になっている今日、わが子を通して「かるた」という日本の伝統的な遊びに触れることができて、日本語のすばらしさを思い出したような気がします。たくさんの感動をありがとうございました。

 

石井勲先生のご冥福をお祈りします


いしいいさお

2004年11月4日、石井勲(いしいいさお)先生が85年の生涯をとじられました。
告別式は11月27日、青山葬儀所でとり行われました。

 石井先生は、戦後、学校教師として教育の道に入られ、以来
子どもたちに豊かな言葉を見につけ、学ぶ力を育んでほしいという純粋な想いで
 漢字教育を啓蒙された、真の教育家でいらっしゃいました。
当館の漢字の絵本や教材等も監修していただき
いつも優しい眼差しで教え導いてくださいました。

いまや石井先生の漢字教育を実践する幼稚園保育園は約700園。
どれほどの園児が先生の教育で巣立っていったか知れません。

 教育の現場に多大な功績をのこされた石井勲先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。


石井勲先生の漢字教育の原点

『石井勲の漢字教室』双柿舎(絶版)より抜粋

私はかねてから「一つの言葉を最初はかなで表記して教え、後に漢字で教える」という国語教育に疑問を抱いていました。

たとえば「学校」という言葉は、社会では漢字表記しているのに、「がっこう」という表記を別に作る。
それに慣れさせて、あとで本物を教えるから、本物がなかなか身につかない。

どこの国でも一つの言葉を子供用と成人用に分けて表記指導する国はありません。
この無駄をなくすため「漢字で表せる言葉は初めから漢字で教える」ことにした。
これが石井方式をはじめた原点です。

石井方式は昭和26年に発表しました。
それは長男で行った実験をもとにした意見発表にすぎませんでした。

以降、本格的な研究発表を続けて数年、実践する小学校がぼつぼつ現れました。

しかし、いかに教育効果をめざすとはいえ、文部省としても、1年生で教える漢字をそう簡単に増やすことはできません。
とは言え、これでは世の中は動きません。

そこで「学校教育以前の幼児教育を考えよう。これを前進させれば小学校も前進する。幸い、幼稚園教育は小学校教育ほど制約を受けていない。」と考えました。

抵抗は初めからありました。「幼稚園でかなを教えるのでさえ苦々しく思うのに、漢字を教えるなんて。」という園長もいました。

そこで私は園児たちに「お話をしてあげましょうね。」と10分ほどの話をし、その中で繰り返し出てくる言葉を30字ほど漢字で黒板に書きつけました。
話が終わって、私が黒板の漢字を指さすと、みな元気よく読みます。
「このような漢字教育なら、うちの園でも。」園長はすぐ言われました。

漢字教育というと、すぐ漢字の詰め込み教育だと思われ否定されがちです。
「漢字教育より先にすべきことがある。」そう言われます。
これに対して私は言うのです。

「先にすべきことがあるなら、それを先にやって下さい。
ただそのすべきことに漢字をお使い下さい。漢字を教えるのではありません。
漢字で教えるのです。」

日本語を理解するうえで、その日本語を正しく盛る器である漢字は不可欠です。
文字の生命を無視した機械的な覚え方ではなく、生きた文字として漢字をあつかうことで、漢字の持つ言葉の役割が活きてくるのです。

 

石井勲先生の最後の講演「石井方式 幼児からの漢字教育35周年記念講演会」(2003年)


石井方式の漢字教育が幼稚園・保育園で実践されて35年目の2003年、
記念特別講演・祝賀会が東京で開催されました。

ご高齢の御身体をおして壇上に立たれた石井勲博士は
幼児漢字教育35周年を迎えての思い、グレンドーマン博士から受けた励ましの言葉、
また、国語教育はもとより教育全般にわたって熱意をこめてお話され、
先生の教育への熱い想いが、列席の方々に直に伝わる講演となりました。

また、特別講演としてお話いただいた、数学者で国語教育にも造詣の深い藤原正彦教授は、
漢字で文章を読む事で文意がつかめ、読書力がつく、そして読書は大局観を養うということ、
論理性を育むために必要なものが言葉であり、言葉の教育がいかに重要かということ、
そして、詩歌など日本古来の文章に触れることで、時空を超えた情緒が養われるということ、
祖国をいつくしむ精神をつなぐのは、国の言葉、つまり国語だということ
など国語教育全般に関するお話をされました。

また祝賀会では、石井方式の教育により、1歳半で300字の漢字を読み、
後に東大の医学者となり、かつ詩人としても活動されている田中庸介さんの祝辞、
東京大学名誉教授の宇野清一先生、おなじく東大名誉教授の小堀桂一郎先生など
錚々たる教育界の先生方、石井方式を実践される園の先生方の祝辞があり、
石井方式の活気が感じられる、充実した会となりました。

いしいいさおNHK出演
昭和44年、NHKテレビ出演時の石井勲先生(黒板の前)

幼児漢字教育三十五周年御挨拶

石井勲(いしいいさお) 教育学博士

「かなから教える明治以後の教育は大変な誤り」と指摘したのは52年の昔ですが、それを実証し終えて小学校を退職したのは昭和42年でした。その年の暮れです。井上文克先生から幼児教育のお奨めを受けたのは。
(石井方式漢字教育の普及に)登龍館の田中前社長と井上先生と三人で全国を行脚して回った想い出は今も鮮やかです。
それからどんなに多くの方から、御賛同と御援助を戴いた事でしょう。とても感謝しきれるものではありません。然し、私共の仕事はこれからが大変です。先輩の先生方のお力を得てここまで築き上げて来た仕事を普及発展させなければなりません。それにはお若い先生方のお力に頼るしかありません。お若い同志の皆様の御活躍を期待し、且お祈り申し上げて御挨拶と致します。

「国の再生は国語教育から」

藤原正彦 お茶の水女子大学理学部教授

この国を根本的に再生する特効薬はなく、時間はかかるが教育を立て直すほかに道はない。なかんづく初等教育が最重要で、その核は国語である。小学校における国語を飛躍的に拡大強化し、読書文化を復興させることこそ日本再生の要と言ってよい。
読書を通して、教養、情緒、道徳などを身につけた人々が国を救う。読書の土台は漢字習得につきる。全国民が小学生のうちに常用漢字1945字すべてを、たとえ書けなくても読めるようにする必要がある。これにより本に対する抵抗感がなくなる。
独創的な石井式漢字教育が、公教育に取り入れられ、常識的となる日を願わずにはいられない。

「漢字について」

渡部昇一 上智大学名誉教授

漢字愛を当然と思っていた私にとって、自分の子どもたちが漢字をなるべく使わない教育を学校で受けているのを見て「堕落したな」と思っていた。そんな時に、石井先生の漢字の入った絵本を見つけ、かつ石井先生の理論を知って膝を打ったわけなのであった。それで私の子どもたちは漢字に曝されて育った。三人とも進んだ道は音楽であったが、三人とも親の私が感心するほどの読書家になっている。漢字に対する抵抗感なく育てば、読書に苦労はなく、それは無限の楽しみと知識を与えてくるものになる。
この意味で私は石井先生に恩を感じているものである。そして根拠のない教育理論にもとづいて日本の子どもたちから漢字を奪った戦後教育に大いなる欠陥を見い出す。内容のある本を、またその内容を表現するにふさわしい漢字で書かれた本を読むように育った子どもは、そんなに簡単に「切れる」ようなことはないように思うのだがどうだろうか。石井先生の方式が更に普及する事を邦家のためにも祈る次第である。


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